先日、浅利慶太さんが亡くなられた。
浅利さんはご存知の方も多いと思うが、私も大好きな某劇団の創設者の一人でもあり、演出家としてもとても有名な方だ。
なんと学生時代に劇団を立ち上げられたそうだが、生涯現役で、病気で入院中も演出を手がけておられたと聞き、長い間、ものすごい情熱を持ち続けて生涯を全うされたのだと思い、尊敬する。
偉大な演出家がお亡くなりになられたことは、とても残念なことではあるけれど、そのニュースに際し、市村正親さんが、生前の浅利さんから言われたことというのが、本当に心に残った。
「人の時計をのぞくな」
というのを、浅利さんに教わったということをおっしゃっていた。
これは、人はそれぞれに自分の時計(時間)を持っているのだから、人の時計をのぞいて見るもんじゃあないよ、ということらしい。
人の時計を覗いた瞬間に、自分はどうしてこうなんだろう(劇団でいえば、どうして自分はこの役なんだろう、とかいうことだと思うけど)という比較が始まってしまうというのだ。
これは本当にその通りだと私も思う。
自分の時計は、他の人と同じペースで秒針が進んでいるわけではないだろう。
他の人の時計は自分の時計より、もしかしたらめっちゃ早く秒針が進んでいるかもしれないし、その逆かもしれない。
みんなそれぞれに、自分の時計を持っているということは疑いようのないことで、そして、その自分の時計(時間)を大切に刻むことが本当に大切なことなのだろうと思います。
私のスタジオのみんなも同じだなぁと思います。
みんな、それぞれの時計を持っていて、比べてしまうと秒針のスピードの違いが気になるが、比べなければ、それはそれぞれの大切な時間で、そして、同じ空間でみんなが同時に輝けるといつも感じています。
そして、みんな、その時計の使い方が本当に上手で素晴らしいと思います。
先日、入会していただいた方に”数年前にたまたま私たちのベリーダンスを観て、ずっと何年もチャレンジしてみたいと思っていたものの、一歩踏み出す勇気が出なかったが、やっと始めるんだ!”という話を聞かせてもらった。
時々、そういった話などを聞かせてもらう度に、その勇気に誠実に応えたいという気持ちになる。
これから、自分の時計で、自分のベリーダンスの針を進めてもらったら私はとっても嬉しいし、きっとスタジオのみんなも、それぞれを応援しています。
みんなが、それぞれに自分の時計を持っているからね。
そんなことを思って「自分の時間」って英語で「My time」かしら?でもMy timeじゃ「私の出番だ」みたいなニュアンスじゃないのかなぁ?なんか違うよなぁ?とか考えていたら、
自分のために使う時間というのは「Me time」と表現するんだって。口語的表現だとは思うけど。
良い勉強にもなりました。
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